ホームの下に住みついた 都会のネズミが手紙書くこちらは5分に一本の 列車の騒音たまりません人の波が途切れずに ご馳走見えても捕れません空はいつでも灰色で 星の光も届きません
描き終えて 田舎のネズミに届けたくてもポストの口は高すぎるあぁ早く 彼らが期待を胸に抱き都会に越して来る前に知らせたい 知らせたい
住めば都と言うけれど 隣の芝生は青いものこの目で見なけりゃ不自由もそうそう気が付くものじゃなし
手紙を前に悩むネズミの 脇をすり抜け電車が走る
*詩=紅 龍さん。写真=HPB素材。