「究極の贅沢」
忙しさに追われて 死ぬほど眠りたいと思っていた トイレに行ったり 食事をするのさえ 面倒くさいと思うこともあった
管から食事代わりの栄養を採り 管を通してトイレを済ませ ただ寝ているだけの 究極の贅沢は 苦痛以外の何物でもないことを知った
起き上がる 座る 立ちあがる 寝返りをうつ 落ちた物を拾う 靴下を履く 普段何気なく行っていること全てが 沢山の力を要している
食べられる事の幸せ 動けることの幸せ 忘れかけたら お腹の傷を眺める 同時に人の痛みも 理解できる気がする
*詩=紅 龍さん。写真=紅 龍さん。