「厳冬の怯え」
行き過ぎるヘッドライトに照らされて 割れたガラスの破片のように 鋭く尖って キラリと光る霜柱 凍てつく寒さ 耳に頬に突き刺さる 痛みにも似た感覚
終電を送ったはずの踏み切りが 一瞬けたたましく鳴り すぐに赤い光だけを残し 通過する貨物を知らせる
闇まだ深い傍ら 桜木に忍ぶ小さな蕾 怯えた心を和ませた
*詩&写真=紅 龍さん。