「雨にまぎれて」
雨にまぎれて 今日は泣いてしまおう 心深く沈めた悲しみまでも 洗い流してしまおう
傘に隠れて 今日は弱音を呟こう 呑み込んだ言葉までも 吐き出してしまおう
雨の日の重い空気は 人々が捨て去った憂鬱 深く立ち込める雲は 凝縮された苛立ち 水溜りを避けて歩くのは 触りたくない傷が そこに溜まっているから
人の分まで辛くても じきに太陽が 乾かしてくれる
*詩=紅 龍さん。写真=紅 龍さん。